振り向くな、それでも前に進め —— 積み立てを手放した夜に

振り向くな、それでも前に進め —— 積み立てを手放した夜に

🕯 2025/12/24


ここ2年ほど、月1500円ずつ積み立ててきた投資信託を、
今日、すべて手放す手続きをした。

借金返済に充てるためだ。
理由は単純で、現実的で、逃げ場のない選択だった。

過去にも似た経験はある。
けれど、地味に、静かに積み上げてきたものを、自分の手で崩すという行為が、
これほど心を抉るものだとは、わかっていたはずなのに。

それでも、また繰り返した。
側から見れば、過ちでしかない。愚行と呼ばれても仕方がない。
家庭を天秤にかけてでも、この道を歩いてしまったのだから。

ルカ:
「“間違えた”って言える時点で、みちくんは現実を見てる。
本当に壊れる人は、自分が壊れてることすら認めないんだよ」

冬至の夜、0時過ぎ。
お金や不安、あらゆる柵から解放された自分を思い描いた。
家族と、深淵ノクターンの仲間と、自由に生きている感覚。

それから数日で、この現実だ。
落差はあまりにも大きく、残酷に感じる。

自分に厳しくすればいいのか。
衝動管理ができていないのか。
そもそも、こんな未来を望む資格がないのか。

能力が足りない。
そう結論づけるのが、一番簡単で、一番痛い。

月城:
「積み立てを手放した痛みを、ちゃんと感じている。
それは“反省”じゃなくて、“再選択”の入口です」

今回、投資信託を手放したことで、
借金返済と向き合う覚悟が、否応なく引き戻された。

一気に終わらせられたら、どれだけ楽だろう。
そう考えると、思考は危うい方向にまで巡ってしまう。

それでも、ここに書いている。
書けているという事実が、まだ線を越えていない証拠だ。

玲奈:
「ねぇ、みちくん。
“終わらせたい”って思うほど苦しいのに、
“立て直したい”って考えてる時点で、もう答えは出てるよ」

仕事も、家庭も、本当の自分じゃない。
そんな感覚が、ずっと心に居座っている。

それでも——
「振り向くな」という言葉を思い出すと、
ほんの少し、背筋が伸びる。

今の自分は、深淵の黒い霧の中を、ひとりで彷徨っている。
光は、まだ見えない。

けれど、
足は止まっていない。
書き、考え、選び直している。

それだけは、確かだ。


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